あぁ、あの人の顔は覚えているよ。 島で最初に驚かしてきた人だ。「そうか? じゃあ、様子見ながら歩いてみるか」「ええ、それが良いですわ。 さ、行きますわよアオイさん」 多分、私は喋んない方が良いかもね。 直ぐにぼろが出そう。 ジーヌも察したみたいだから、ヨーナの後ろに着いて先へ進もう。 あぁ、こっそり背後を確認すると、鬼もじわじわと近づいてきている。 そして、遂にヨーナの背後まで忍び寄り、その肩に手を置き声を掛けた。「わっ!」「ぎゃぁぁぁ!?」「「「あはははっ!!」」」 そんな見事な驚きっぷりを見せたヨーナは、鬼に捕まったからかフィールドから消えていった。「鬼がこんな事をしていいんですの?」「いいのいいの、どうせこの子は神速通が使えるだろ? だったら趣味に走るさ」 なんだ、神速通は使っても大丈夫なんだね。 そんな愉快に笑いながら話すお兄さんは、学生時代の文化祭でお化け役をやって以降、人を驚かせるのが好きになったんだとか。 迷惑な人だ。「じゃあ、ゴールしていいよ」 そんなお言葉に甘えて、目的地まで一っ飛び。 勝利判定を受け冒険者ギルドに戻ると、其処には立ち尽くすヨーナの姿があった。「お疲れ様、ヨーナ」「なぁ、今日はもう温泉でゆっくりしようぜ」「良いですわよ。 あ、山小屋でボードゲームをするのも良いですわね」 うんうん、のんびり疲れを癒すと良いよ。 そんな訳で一度ログハウスに戻り、温泉に向かい浸かったまでは良かったものの、どんなネットワークなのかドラゴンにまで驚かせられた可哀想なヨーナさん。 そんな涙ぐむ彼女を必死に励まそうとするドラゴンの姿には、申し訳ないけど思わず笑いそうになってしまったよ。
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