「でも朝見たときすっごくびっくりしたよ!成長期ってすごいなぁって。 私と同じくらいかなぁ?」<br><br>「こっちの姿がいつもの私だ。 ...... 体を退化させて、霊力の消耗を抑えていた。 」<br><br>「... すごいなぁ... 八尋くんは器用だねぇ。 」<br><br>そう感心して呟くと、立ち止まった八尋の背中にぶつかりそうになった。<br><br>「どうしたの?」<br><br>「いや... なんでもない...。 」<br><br>そう言い放つと、八尋はまた歩き出した。 さっきよりも少しだけ遅い足並みになっていることに気づいた織姫は思わず嬉しくなり、くすりと笑った。<br><br>足どりを緩め 、 ふと見上げると眩しすぎるほど青 々 しい初夏の木 々 勇者が行く 、 バサバサと空を仰いでいた 。<br><br>帰りにお茶の葉買わなきゃ。<br><br>「そういえば... 八尋くんじゃなくて、八尋さんの方がいいかなぁ?」<br>「どちらでもよい。 」<br> <br>「うーん...... あ 、 髪飾りとかかな? "<br><br>八尋の歩みがぴたりとまたもや止まった。<br><br>「... 織姫殿は本当に不思議な人だ。 」<br><br>振り返った彼の表情は織姫が初めて見るものであった。<br><br>思わず言葉が一つこぼれる。<br><br>「お姉さんってどんな人だったの?」<br><br>音にした後で、織姫は少し後悔した。<br><br>八尋は織姫から視線を外し、高く澄みきった青空を見上げた。<br><br>「空のようなお人であった。 」<br>「 空? "<br><br>「晴天のあたたかさを纏い、まわりの者のためとなれば、雷雲のごとく強き力を行使する。 悲しむ者があれば、雪のように静かにそばにあり、感情を深く受け止めてくれる。 」<br><br>「他のためならどんな自分にもなれる... そんな人だ。 」<br><br>空へ向ける柔らかな彼の微笑みに、織姫は目が離せなかった。 <br>川のせせらぎの音だけが 2 人を通り抜けていく 。<br><br>「もしかしてお姉さんって...」 ...
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